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Netdocs の頃の時代と現代の技術者の働く「場」(2006/05/12)

 Life is beautiful に関する投稿が続くが、今回は「マイクロソフトがついにオンライン版の Windows と Office を作ると発表」に取り上げられていた、MSの過去のプロジェクトNetdocs「Secret project may be Microsoft's next big deal」の話。

 このNetdocsの記事は、2000年の12月だが、この頃私はあるソフトウェアをウェブアプリケーション化するために、IISやらASPやらを触っていた。その取り組みは振り返ってみれば画期的なことだった。普通のWindowsアプリケーションではあるが、ウェブアプリケーションのUIも提供しようというものだ。当時の上司には私にまかせてくれたことに感謝したい。

 それ自体は1998年頃からかやっていたのだが、その頃はActiveXで強引にウェブアプリケーションっぽくするか(ブラウザに張り付いているだけです)、ASPで現代のウェブアプリケーションらしく作りこむかという選択肢があった。当時VBScriptを使ったが、最初は概念を理解できず、サーバーサイドスクリプトでメッセージボックス表示処理を書いたりして、わけわからないことをしていたことを覚えている。ActiveXで強引にというアイデアも、当時としては画期的ではあった。そんなことを、MSDNを読みながら、数少ないASPの本を読みながらやっていたと思う。

 当時の会社ではNetdocsの件のような組織上の対立も無く、ローカルアプリケーション用のエンジンを上手く使いつつ、ウェブ用のインタフェースを作りこんだものだ。

 現在は猫も杓子もウェブアプリケーションにし、アプリケーションをパッケージではなくサービスとして提供することが始まっている。現時点でそれがビジネスとして成功するために必要なキーが何かはまだわからないが、Netdocsのような先進的な試みが途中で消えたことは非常に残念でならない。

 もし、MS-Officeがウェブアプリケーション化されていたら、IEのシェアがFireFoxにこれほど奪われることも無かったかもしれない。それだけでなく、現在販売されているウェブベースの文書管理ツールやナレッジマネジメントツールがとてつもなく使いやすいものになっていたのでは無かろうか?

 さて、話は飛ぶが日本にいる多くのエンジニアの中で、数年後の未来を信じて新しい製品開発に取り組んでいる人材はいったい何人いるのだろうか?顧客の口から湧き出る目先の対処療法的なカスタマイズやバグ取りではなく、数年先を見た仕組の開発、そういう開発ができる「場」を提供することこそが経営者として必要ではなかろうか。

 20人即戦力を採用するとブログで宣言した、とある会社の社長が、20人即戦力のエンジニアをパフォーマンスチューニングやちょっとした機能追加に使わないことを願っている。

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